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母の日セールに見えるブランド戦略

2024.05.01

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台湾の百貨店にとって、年中行事以外に、「母の日」が最大のイベントになります。各ブランドはみな準備に力を入れ、破格の割引や「最強の組み合わせ」を提供し、さらには独自のキラーアイテムを投入して、多くの人々を引き寄せようと企画しています。

値引きプロモーションのほかに、「客寄せイベント」として、例えば一定額以上の購入でボーナスポイントや贈り物をするサービスがあります。一方、割引をほとんど行わないブランドは、特定の銀行カードを利用して購入することで、ボーナスポイントを付与したり、百貨店が提供する購入券や特典を獲得できるようにします。さらに、普段はない「限定セット」を提供するブランドもあり、人々は手に入れずにはいられません。消費者はこの時期に愛する母親や妻に対し、また自分自身への「ご褒美」として購入することに慣れており、最も多くて最もお得なオプションを享受することができます。逃してしまったら、来年までまたはもう二度とないかもしれません。

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そのため、台湾の百貨店の売り上げは季節によって非常に大きな差が出ます。高価な商品の場合、消費者は最もお得なイベントを待って一度に大量購入する、いわゆる「買いだめ」を行うのです。

消費者の購買意欲を喚起するには、「イベント」(キャンペーン)が大きな役割を果たし、次に消費者を引き付ける為には再び魅力的な「イベント」を企画する必要があります。

その際には、話題性のある商品、ブランドのフラッシュセール、有名人が登壇するイベント、またはIP関連の展示会やコラボレーションなど様々な手法での企画が重要です。これにより、親子連れが参加し、消費を促進することができるのです。

筆者は日本の百貨店で大規模なセールがあまりないということを聞いたことがあります。そのため、日本人と台湾人の消費習慣(販売促進の手法)は大きく異なると言えます。例えば、日本の化粧品は定期購入が一般的になってきており、毎月定期的にフレッシュな商品を使用することが保証されていますが、台湾ではあまり一般的ではありません。台湾人は自分の消費サイクルを自ら決定することを好み、割引イベントを待って大量の商品を「買いだめ」するか、異なる商品を試すことを好みます。

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筆者は貿易関連の業界で働いているため、このような違いに気が付くことができました。日本市場に進出したい台湾ブランドや、日本ブランドを台湾で展開したい場合は、関連する市場と顧客層の消費習慣を注意深く観察し、市場進出のポイントを見つけ、マーケティング戦略と販売戦略の正確性を高めるのに役立てることが重要だと考えます。

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