支店長ブログ|新商品開発、アイデアの出し方
2022.05.16
日本本社勤務時代、商品仕入れ担当をしており特に長く担当したのが収納家具です。更に細かく言うと「押し入れ収納」の商品開発を約10年担当しました。当社のカタログは年に4回発行され、その中の押し入れ収納家具は約10ページ、50品番ほどの商品を販売します。
約60%は継続商品(全号までよく売れているので、そのまま継続)で、新たに入れ替える商品を20品番ほど作らねばなりません。採用されるまでにその数倍のネタを仕込み、上司に「合格・採用!」をもらえるよう「トレンド」「品質」「価格」「生産工場の体制」「問題発生時の対応」その他考慮しながら決めるのですが、何しろ「押し入れ収納」です。リビングルームのテレビ台ならトレンドやカラーを考えてアイデアも広がりますが、ジメジメした押し入れの中、しかも形は四角い箱ものや衣類をつるすハンガーバーのようなものしか思いつかないのです。この商品開発に悩み自分の生活だけでなく友人や実家の押し入れも見に行ったものです。しかも年に4回もカタログが発行されるので、アイデアのスピードが追いつきません。
そこで、この悩み(アイデアが追いつかないこと)をある先輩に相談したのです。すると、「そうなんだよね。その場合は、『考えて考えて考え抜く』と案外アイデアが出てくる」と何とも頼りないアドバイスでしたが、それでも素直に従うと不思議とアイデアが出てくるのです。そんなアイデアを持って工場へ行き、材料や工程を決めヒット商品を作るという、何とも楽しい仕事でした。
今、台湾に来て日本勤務時代以上に「アイデア」を要求されることが増えました。これは情報が多くビジネスのスキームが複雑化されているからかもしれません。ネットやYouTubeから情報を得ることもありますが、根底にあるのはやはり「考えて考えて考え抜く」ことがベースにあるような気がします。
時代も、国も関係なく、深く考えないと上手くいきませんね。
株式会社DINOS CORPORATION 台北支店
総経理 小比賀 隆