2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の流行により、世界各国は大幅に経済が落ち込んでいます。そんな逆風の下、日本企業の台湾進出は続きました。その理由は大きく「内需の安定した成長」と「経営リスクの低さ」の２つと考えられています。

目次

一、日本企業の海外戦略において台湾市場の重要さ

二、台湾進出のメリット

三、台湾進出のデメリット

一、日本企業の海外戦略において台湾市場の重要さ

近年の日本は、深刻な少子高齢化傾向により、国内市場の消費が低迷しています。それとは対照的に、海外の新興国の最低賃金は年々増加しており、消費購買能力が上昇しています。

多くの日本企業は「より大きな市場」、「より早く安くの生産力」を求め、海外に活路を見い出すことを期待し、総合的な海外展開戦略に乗り出すことになりました。

多くの日本企業は比較的進出しやすい台湾を海外進出の最初の拠点としています。コロナ禍が長引く2021年でも、ドン・キホーテ、JR東日本などの日本企業が続々と台湾に進出しています。そのことから、日本企業の海外戦略において台湾市場がどれだけ重要かがわかります。

二、台湾進出のメリット

• メリット１：アジア進出の入り口として最適

最初から東南アジアに進出を果たすよりも、まずは地理的にも日本と近く、中国や東南アジア諸国の文化、慣習等にも熟知する台湾に進出することはとても理にかなった戦略。台湾においてテストマーケティングを計り、アジア諸国における優位性を確かめることで、経営リスクを少なく抑えると考えられます。

• メリット2：日本のサービスやブランドを好む消費者層

台湾は言わずと知れた親日国家。東日本大震災の際は200億円超義援金で日本の友達を心から心配しました。また、台湾はアジアでも特に親日度が高く、日本製品は品質、価値が高いものとして受け入れられる傾向があります。多くの企業は二国間貿易を通じた長年のビジネス協力の基盤や信頼関係を生かし、台湾マーケットに参入しています。

• メリット3：日本の1/2程度の低コスト

台湾物価は年々上昇しているものの、現地においての出費が概ね日本の1/2程度で済みます。また、2010年に台湾の法人税（営利事業所得税）は、本来の25％から17％に引き下げられて、香港の16.5％とシンガーポールの17％と並んでアジア最低税率となっています。

三、台湾進出のデメリット

• デメリット１：市場規模の限界

台湾人口規模は現在約 2300万人。また、国土の面積は約3万6000k㎡で、日本に置き換えると九州と同じくらいの大きさになります。内需は安定しているとは言うものの、日本市場規模に比べて決して大きくありません。しかし、近年台湾におけるECの市場規模は右肩上がりに成長を続け、EC化率では日本の3倍以上の数値を記録しています。ECからの進出は比較的にリスクが低く、先ずはECからテストマーケティングを計る企業も少なくありません。

• デメリット2：日本と似た人口構造（少子高齢化）

台湾の人口ピラミッドの形は日本と似ています。きたるべき未来における「少子高齢化」が深刻な社会問題となっているのです。しかし、こうした日本に近しい環境が、国内の事業者の台湾進出には追い風となります。台湾では広義で日本におけるマーケティング手法の転用が可能になります。

• デメリット３：ビジネスの決断スピードが早い

日本人、日本企業は良くも悪くも「こだわり」が強い。

海外展開において一番大切なのは『現地化（ローカライズ）』です。台湾のビジネス判断のスピードは、日本のビジネスでは考えられないほど早いのです。日本事業と同じやり方、同じ縛りを設けることで上手く行かないケースが多く見られます。

日本企業は一から現地の専門知識や業界の経営ノウハウを学習するのは大変時間がかかり、効率や成功率も低いです。そのことで、現地で提携企業と組んで事業を展開していくのが主流です。提携企業のビジネス基盤やノウハウを生かし、成功率や持続性を高められます。

まとめ

台湾マーケットは日本に比べて小さな市場ですが、様々な商品やサービスにおいて、日本企業の参入の余地があります。実際に、台湾に進出して成功を収めている企業も少なくありまません。

とは言え、海外進出は決して簡単なことではありません。進出のリスクを最小限に抑えるために、徹底なリサーチと戦略強化は非常に大事です。

DINOS CORPORATION台北支店は、日本企業の台湾進出を支援しています。
台湾に進出したいと考えている企業様は、お気軽にお問い合わせください。

info-taipei@dinos-corp.co.jp

+886-2-2509-0248

株式会社DINOS CORPORATION 台北支店